2019 年 88 巻 3 号 p. 176-181
ダイズ子実からの豆腐の硬さ (破断応力) の簡易な評価方法として,近赤外分光分析を検討した.ダイズ試料の産年,試料性状 (粉砕または全粒),スペクトルの種類 (原スペクトルまたは二次微分スペクトル) によらず,いずれの検量線でも実測値への強い回帰が認められたが,省力的かつ非破壊で未知試料への適用性も高い全粒試料の二次微分スペクトルによる検量線を採用した.この検量線は他年産試料への適合性も優り,スクリーニング用途においては十分に実用性を有する精度と判断されたことから,系統選抜,特に初期世代の検定において効果が期待できる.