日本作物学会紀事
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栽培
温帯地域の鹿児島におけるキャッサバの生産性Ⅰ.生育,乾物生産および収量
南 さやか薮田 伸富永 克弘山本 夕菜中之内 亜紀子壹岐 香代石川 大太郎石黒 悦爾箱山 晋
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2020 年 89 巻 4 号 p. 277-284

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抄録

熱帯・亜熱帯に広く適応し高い生産性を持つキャッサバを,バイオマス資源作物として温帯地域へ導入・利用が可能か否かを知るため,2007~2009年にブラジル国育成のデンプン含有率が高い品種 IAC-576-70を鹿児島で圃場栽培し,その生育,乾物生産の推移と収量を調査した.年平均気温18.3℃,年平均降水量2280 mm,冬期に降霜もある鹿児島の気象条件で,栽培可能期間は4月下旬~12月上旬までの7~8ヶ月間に限られた. 3ヵ年間における最大生産量は全乾物重が 1793 g m–2,塊根乾物重が 524 g m–2,生鮮塊根収量が2000 g m–2であり,熱帯地域の植え付け8ヶ月後における収量と同程度の生産であった.

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