日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
生育後期における茎葉切除がラッカセイ「千葉P114号」の収量及びショ糖含有率に及ぼす影響
黒田 幸浩鈴木 健司桑田 主税
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2021 年 90 巻 1 号 p. 78-82

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抄録

千葉県が育成し,2018年に品種登録されたラッカセイ品種「千葉P114号」はショ糖含有率が高いことが特長である一方で,その特長が発揮されない事例が一部で確認されている.さらに「千葉P114号」は分枝長が長く,収穫作業性が低いことが問題点として挙げられている.本研究ではこれらの問題を解決することを目的として,生育後期の刈高30 cmでの茎葉切除が「千葉P114号」の収量及び品質に及ぼす影響を調査した.その結果,莢実重及び子実重は播種期に関わらず,切除時期が早いほど減少した.また,ショ糖含有率はいずれの播種期においても開花期後70日での茎葉切除により,茎葉を切除しない場合と比較して,ショ糖含有率が高くなった.以上の結果から,茎葉部の一部を切除することによって収量が減少する一方で,ショ糖含有率が向上することが明らかとなった.また切除時期については,収量と高いショ糖含有率が両立できる開花期後70日が適していると考えられた.

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