日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
追肥重点施肥が関東地域で栽培した六条オオムギ「シュンライ」および「カシマゴール」の生育,収量,タンパク質含有率および硝子率に及ぼす影響
岡村 夏海澤田 寛子松山 宏美渡邊 和洋
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2023 年 92 巻 1 号 p. 48-54

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抄録

ムギ類において,基肥を減らして追肥を増やす施肥体系はいくつかの地域において増収効果が認められているが,関東地域のオオムギについての報告はない.本研究はオオムギの多収栽培技術の開発を目標に,六条オオムギ「シュンライ」と「カシマゴール」に対して追肥重点型施肥の効果を検討した.試験は,茨城県つくば市の水田転換畑圃場において,2016/2017年と2017/2018年の2カ年にわたり行った.施肥処理区は,基肥-分げつ期追肥-茎立期追肥が窒素成分で6-0-3 g m–2を施用した標準区(6-0-3区)に対して,3-0-6 g m–2を施用した追肥重点区(3-0-6区),6-0-6 g m–2を施用した追肥増量区(6-0-6区),3-3-6 g m–2を施用した追肥重点分施区(3-3-6区)を設けた.「カシマゴール」では,6-0-6区と3-3-6区のみ設けた.「シュンライ」では3-3-6区では6-0-3区と比べ,穂数および収量が多い傾向がみられた.硝子率は3-3-6区では6-0-3区より高く,精麦用としての品質は追肥重点型施肥により低下した.「カシマゴール」では収量は3-3-6区で6-0-3区と比べ2カ年とも多い傾向であり,原麦タンパク質含有率に差はなかった.本研究により関東地域の六条オオムギにおいて追肥重点分施施肥3-3-6区の施肥体系は収量を高める可能性が示唆され,特に粒の硝子率が問題とならない麦茶用オオムギに適性があると考えられた.

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