サトウキビ栽培におけるハーベスター (HV) 採苗-ビレットプランター (BP) 植え付け体系への適性に関与する品種特性を解明するため,鹿児島県熊毛地域 (種子島) の奨励品種を用いて,HV採苗した種苗を植え付けた場合の発芽状況や収量を調査した.2017年調査として,人力で採苗して植え付けた対照区と,同等の健全芽子を含むHV収穫物 (HV採苗した種苗とトラッシュ) を手作業で投入したHV区とを比較した結果,品種によらず対照区に比べてHV区の発芽数と原料茎重が減少傾向を示した.植え付け後2週間が無降雨であった2018年調査では,対照区に比べてHV区の発芽数が大きく減少した.種苗投入量を増やすと発芽数が増加傾向を示したが,太茎品種では増加程度が小さかった.いずれの品種もHV区の原料茎数と原料茎重が対照区を下回ったことから,発芽良否が原料茎数の多少を介して原料茎重に影響したと考えられた.4品種を供試して同量のHV収穫物をBPで投入した試験では,細茎,多節等の特性を有し,発芽率も比較的高かった「はるのおうぎ」の発芽数と原料茎数が他品種より多く,多収であった.「NiTn18」は発芽が不良であったが,優れた分げつ性による茎数の補償作用がみられた.以上から,HV採苗-BP植え付け体系では発芽良否が極めて重要であり,HV収穫物重量当たりの健全芽子数の多さに寄与する茎の細さや多節性,また,優れた発芽性と分げつ性が,同体系への適性に関与すると考えられた.