2023 年 92 巻 4 号 p. 340-341
「水稲中間母本農12号」は,高温条件下で花粉形成異常となる温度感受性雄性不稔を示す.本研究では,花粉形成過程のうち,高温による雄性不稔を引き起こす感受性期について解析した.様々な時期に33℃の高温処理を行うと,稔実率が最低で0%まで低下し,処理時期によって稔実率の低下の程度に差が認められた.完全に不稔となった個体では,出穂前14日から12日にかけての時期が共通して高温条件であったことから,この系統の雄性不稔の誘導にはこの時期の高温が重要であると考えられた.