携帯型NDVIセンサーを用いたNDVIの測定により,ダイズの生育の圃場内変異,およびその収量との関連を明らかにしようとした.タイズ品種「里のほほえみ」を用いて2021年と2022年に圃場試験を行った.いずれの年次も,出芽数が多い調査区は生育初期のNDVIが高かった.生育初期のNDVIが高い調査区は,いずれの年次も,開花期および子実肥大期前半の地上部乾物重が重い傾向が認められた.しかし,生育初期のNDVIと収量の間にはいずれの年次も有意な相関関係は認められなかった.登熟後期のNDVIを測定したところ,30の調査区の内の2調査区で枯れ上がりが早く,NDVIの測定が不可能となった.これら2調査区は収量が特に低いことはなかったが,百粒重は明らかに軽かった.以上から,ダイズ栽培においては,生育初期のNDVIの測定により子実肥大期前半までの生育量の圃場内変異をある程度推定できること,および登熟後期のNDVIの測定により登熟不良な区画を把握できる可能性が示唆された.