近年,水稲・大豆などに甚大な被害を及ぼす潮風害が頻発していることが指摘されている.しかし,潮風害のような災害調査は,十分な準備と調査時間が得られず,実態を示す調査報告が多く,潮風害の圃場条件における再現法,発生機構,減収率の推定法,簡易に行える被害推定法,および潮風害の軽減対策などの研究事例は,障害型冷害や高温障害など他の気象災害に比べて極めて少ない.そこで,本総説では,水稲および大豆の潮風害の実態,発生機構,被害把握法,再現法,被害軽減技術等に関するこれまでの知見を紹介するとともに,今後の研究の展望についても解説する.