日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
ダイズ生育モデルの適用品種の拡大と収量推定における誤差要因の検討
中野 聡史
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2025 年 94 巻 3 号 p. 263-270

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抄録

ダイズ生育・収量予測モデルの適用品種の拡大に向けて,「ユキホマレ」,「里のほほえみ」,「サチユタカ」の3品種に対するモデルの推定精度を評価した.品種の差異は早晩性の違いとして発育予測モデルの品種パラメータに組み込んだ.茨城県つくばみらい市において,2017年と2018年に各年2回の播種期を設定し,上記の新規3品種を含む国内主要5品種を栽培した.子実肥大始期に地上部全乾物重,成熟期に子実乾物重および茎・莢ガラ乾物重を取得し,モデル推定値と比較した.また,出芽期~子実肥大始期までの平均群落植被率および平均日射利用効率,成熟期における収穫指数を算出し,モデル評価に用いた.新規3品種における2017年の子実乾物重の推定精度は,二乗平均平方根誤差の相対値(rRMSE)で15.8%であり,既報と比べても十分な精度であった.ただし,「ユキホマレ」では,モデルが子実肥大始期の地上部全乾物重を過大評価,成熟期の収穫指数を過小評価する傾向がみられ,発育以外の部分でモデルの調整が必要であることが示唆された.一方,ダイズ生育期間における降水量が少なく干ばつ条件であった2018年では,新規3品種における子実乾物重のrRMSEが60.1%となり,モデルは実測値よりも大きく過大評価した.モデルによる過大評価は,出芽期~子実肥大始期の平均群落受光率および成熟期の収穫指数でみられており,これらの形質において土壌水分ストレスを考慮したモデルへの改良が必要と考えられた.

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