本研究では,ダイズ(品種:「おおすず」)の収量,収量構成要素,生育および乾物生産に及ぼす亜リン酸肥料の影響を調査し,亜リン酸肥料がダイズの収量に貢献するか否かを検討した.2021年には,散布濃度を決定するために,亜リン酸肥料を100倍希釈で散布する100倍区,500倍希釈で散布する500倍区を設けた.2022年および2023年の2年間に散布時期を検討するために,亜リン酸肥料を開花始期に処理する前半区,子実肥大始期に処理する後半区を設けた.2021年では,100倍区で粗子実重が増加し,2023年では,前半区(R1,開花始期)の精子実重および後半区(R5,子実肥大始期)粗子実重と精子実重が増加した.このことから,亜リン酸肥料を葉面散布することで,ダイズの収量が増加することが明らかになった.この増収には,莢数の増加が寄与していた一方で,生育期の地上部乾物重およびSPADは亜リン酸肥料の影響を受けなかった.以上のことから,亜リン酸肥料を生殖成長期(開花始期から子実肥大始期)にダイズに散布することで,ソース能よりもシンク能が向上し,莢数が増加することで収量の向上に繋がると考えられた.