日本作物学会紀事
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栽培
3年間の水田の畑輪作体系試験におけるダイズ・コムギの生育・収量,および土壌特性の変化
福嶌 陽森本 晶澤田 寛子岡崎 圭毅馬橋 美野里大友 量
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キーワード: ダイズ, コムギ, 輪作, 堆肥, 収量
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2025 年 94 巻 4 号 p. 365-374

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抄録

水田の畑地化における地力維持および作物の安定的生産のため,堆肥の有無,および休閑の有無を組み合わせた3年間のダイズ・コムギ輪作体系試験を実施した.堆肥処理により,土壌中の熱水抽出性窒素,可給態リン酸,交換性カリウムが増加した.しかし,堆肥の有無によって,ダイズやコムギの乾物生産や収量が大きく異なることは無かった.ダイズ作においては,コムギ作後は休閑後と比較して,2年目,3年目ともに,播種時の土壌中の硝酸態窒素が低く,根粒重は増加する傾向が認められた.しかし,前作の有無によりダイズの乾物生産や収量が異なることはほとんど無かった.コムギ作においては,ダイズ作後と休閑後の間には,初年目,3年目ともに乾物生産や収量に差異はほとんど認められなかった.ただし,コムギ作の3年目においては,ダイズ作後は休閑後と比較して,土壌中の硝酸態窒素が低く,登熟期間の葉色値が低く,子実蛋白が低かった.土壌中の全窒素は,窒素施肥,窒素固定,子実蛋白からの推定によると,堆肥有区で増加し,堆肥無区で減少したが,実際の土壌の分析値によると,堆肥有区で増加したが,堆肥無区で大きく変化しなかった.結論として,堆肥は土壌の化学的特性に変化をもたらしたが,前作や堆肥は作物の収量にほとんど影響しなかった.

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© 2025 日本作物学会
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