水稲の乾田直播栽培における出芽の安定化に役立てるため,水稲,コムギ,ダイズ,およびトウモロコシの同時深播き試験を畑作物用の播種機を用いて実施した.播種深度は標準播区3 cm,深播区7 cmを目標とした.水稲は他の3作物と比較して,いずれの播種深度においても,出芽日数が長く,出芽率が低く,特に深播区の出芽率が極めて低かった.深播区において,コムギでは第1節間が3.9 cm伸長し,ダイズでは下胚軸が標準播区より2.9 cm長くなり,トウモロコシでは中茎が5.0 cm伸長したのに対して,水稲では中茎,第2節間の合計で2.3 cmしか伸長しなかった.このように他の3作物と比較して水稲においては,深播きによる茎の伸長の促進が少ないことが,深播きの出芽率が低いことと関連していると推察された.水稲の乾田直播栽培においては,深播きとならないことが推奨される.