日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
寒冷地におけるプラウ耕鎮圧体系による水稲の初冬乾田直播栽培
松波 寿典及川 聡子小山田 絢子加藤 大輔小笠原 篤柳村 大地
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2025 年 94 巻 4 号 p. 401-407

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抄録

融雪が遅い寒冷地の乾田直播栽培では春作業の適期が短いため,規模拡大のためには春作業の分散化が重要である.本研究では,プラウ耕鎮圧体系により11月中旬の初冬に乾田直播したイネ(以下,初冬播き)の生育,収量,品質について慣行的な春に乾田直播したイネ (以下,春播き) と比較し,その特徴を明らかにすることを目的とした.春播きに比べ初冬播きでは苗立ち率と苗立ち本数は劣ったが,出芽始期が早く,苗の葉齢の進展も早く,生育も優れていた.初冬播きの生育量は7月上旬では春播きよりも旺盛であったが,7月下旬は有意な差は認められなかった.初冬播きの出穂期,成熟期は春播きよりも,それぞれ7日,15日早く,初冬播きと春播きで収量,品質に明瞭な差は認められなかった.これらの結果から,寒冷地におけるプラウ耕鎮圧体系による初冬乾田直播栽培は春播きの播種や収穫などの作業時期の分散化に適していることが明らかとなった.今後は,初冬播きの旺盛な初期生育を活かした高品質,安定生産のために,7月中下旬の生育を確保するための施肥体系の確立が重要であると考えられた.

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