北海道の水稲品種63種を用いて幼苗期の低温耐性および低温順化処理後の低温耐性(順化型低温耐性)を測定した.それぞれの試験で低温処理後の幼苗の生存率が,0%から90%以上まで品種により様々な結果を示した.順化型低温耐性試験において,近年に育成された系統はどれも低い生存率を示した.順化型低温耐性の高い「キタアケ」と低い「ほしのゆめ」の組換え自殖系統を用いて,順化型低温耐性の量的形質遺伝子座(QTL)の検出を試みた.その結果,9番染色体上に寄与率の高いQTLが検出された.本研究により,順化型低温耐性のQTLを利用した幼苗期の低温ストレス耐性強化の可能性が示された.