日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
北海道の水稲品種が有する順化型低温耐性の評価と量的形質遺伝子座の検出
提箸 祥幸
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2025 年 94 巻 4 号 p. 418-424

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抄録

北海道の水稲品種63種を用いて幼苗期の低温耐性および低温順化処理後の低温耐性(順化型低温耐性)を測定した.それぞれの試験で低温処理後の幼苗の生存率が,0%から90%以上まで品種により様々な結果を示した.順化型低温耐性試験において,近年に育成された系統はどれも低い生存率を示した.順化型低温耐性の高い「キタアケ」と低い「ほしのゆめ」の組換え自殖系統を用いて,順化型低温耐性の量的形質遺伝子座(QTL)の検出を試みた.その結果,9番染色体上に寄与率の高いQTLが検出された.本研究により,順化型低温耐性のQTLを利用した幼苗期の低温ストレス耐性強化の可能性が示された.

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