多収,良食味,高玄米品質の水稲品種「にじのきらめき」について,湛水直播栽培における諸特性を品種比較により把握するとともに,播種量ひいてはm2当り苗立ち本数と窒素施用法を変えた試験を実施し,食味を考慮しながら一定の多収にするための条件を検討した.表面散播と表面点播の試験結果から,窒素施用法が同じ条件で「にじのきらめき」は同熟期の既存品種「コシヒカリ」,「キヌヒカリ」より多収になりやすく,玄米の整粒割合が高く胴割れ率が低いことで玄米外観品質に優れた.また,「にじのきらめき」は短稈で耐倒伏性に優れた.土中条播と表面散播の試験結果から,「にじのきらめき」の精玄米収量はm2当り苗立ち本数の影響がほとんどなく,窒素施用量が大きく影響した.同試験地・同年次に行われた「にじのきらめき」の移植栽培に関する既研究結果と,本研究の表面散播,表面点播および土中条播の結果を含めて検討し,「にじのきらめき」のm2当り籾数と精玄米重との関係は湛水直播栽培と移植栽培とで大きな差異はない一方,同レベルのm2当り籾数に必要な穂数は湛水直播栽培の方が多く,葉色は移植栽培より薄く推移しやすいことが明らかになった.湛水直播栽培では移植栽培と同レベルの収量を得ようとするとタンパク質含有率がやや高くなるため,精玄米重660 g m–2を目標とし,その際の籾数は31千粒 m–2,穂揃い期の葉色がSPAD値34程度で玄米タンパク質含有率は6.5%になると推察された.