2026 年 95 巻 1 号 p. 99-103
緑肥等の有機質肥料による窒素の緩効化の効果を明らかにするために,緩効性窒素肥料を用いたソバの栽培試験によって茎葉重,子実重およびそれらの窒素含有率を調査した.窒素肥料として尿素のみ(LP0),尿素と緩効性窒素肥料を各半量(LP1/2)および緩効性窒素肥料のみ(LP1)の3試験区を設定した.播種23日後ではLP0で生育量が大きかったが,播種68日後の収穫時では生育量はLP1/2とLP1で大きくなり,特に葉重はLP1/2で有意に増大した.収穫時のSPAD値はLP0よりLP1/2とLP1で有意に大きく,光合成能が高く維持されていたと考えられた.収穫期まで窒素供給量が多いLP1/2とLP1では、子実重および剥き実の窒素含有率がLP0より高くなった。その要因として,LP1/2とLP1では側枝数と花房数が多くなること,結実率が高く花房当たりの子実数が多くなったこと,さらに子実千粒重と剥き実率が有意に高くなったことが複合的に影響したと考えられる.