日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
生食用バレイショ「ゆめいころ」の食味特性および貯蔵適性
品田 博史福田 朋彦田中 由紀武田 貴宏
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2026 年 95 巻 2 号 p. 169-176

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抄録

北海道における安定・持続的なバレイショ生産は,バレイショ関連産業の振興のみならずわが国の食料安定供給においても重要である.現在,北海道のバレイショ安定生産を脅かす問題として,ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis :以下,Gr)の蔓延がある.北海道の生食用バレイショ主要品種の「男爵薯」はGr感受性であり,Gr抵抗性品種への置き換えが課題である.これまでに「キタアカリ」,「とうや」および「きたかむい」など「男爵薯」と同様に早生でGr抵抗性を保持する品種は育成されているが,肉色などの塊茎品質や食味特性の違いから,「男爵薯」からの置き換えは限定的となっている.こうした背景のもと北海道立総合研究機構では2022年に更なる「男爵薯」からの置き換えを目指し,Gr抵抗性の早生生食用バレイショ新品種「ゆめいころ」を育成した.本研究では,「ゆめいころ」の貯蔵前および低温貯蔵後の食味特性ならびに塊茎品質を経時的に評価し,「男爵薯」,「メークイン」および「きたかむい」といった既存生食用品種との差異を明らかにした.「ゆめいころ」の低温貯蔵後の食味特性は,「メークイン」や「きたかむい」より,「男爵薯」に近い食味特性であった.また「ゆめいころ」の低温貯蔵中の芽長は,産地を問わず「男爵薯」より短く推移し,貯蔵性が優れることが示唆された.本研究結果で明らかになった「ゆめいころ」の特性を活かした加工利用や貯蔵管理が行われることで,「男爵薯」の置き換えが進むことが期待される.

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