日本作物学会紀事
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灰像塩酸処理法による水稲葉の珪化組織に関する研究
木戸 三夫梁取 昭三
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1964 年 33 巻 2 号 p. 115-118

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抄録
1. 従米, 珪化細胞の調査に用いられてきたフェノール法は, 珪酸の化学的反応という点で問題があるので, 本報告は灰像塩酸処理法により, 水鞘葉の珪化過程および珪化の実態について明らかにした. 2. 灰像塩酸処理法についてその方法の詳細を記述した. 3. 水稲葉では亜鈴状細胞の珪化が最も早く, 未抽出部 (下の葉の葉耳より8cm下) においてもほぼ完全な珪化がみとめられる. 4. 亜鈴状細胞列の間の表皮細胞も, 下の葉の葉耳より8cm下の末抽出部分において, 明らかに珪化し始めていることが認められる. 5. 抽出部より2cm下の水稲葉表皮細胞は, 全細胞ともほぼ完全に珪化している. 6. 機動細胞について珪化の実態を明らかにした. すなわち, いわゆる珪化細胞の角型のかたちは機動細胞の底面のかたちを示している. 7. 水稲葉葉鞘もその全表皮細胞が珪化し, 珪化の程度は下位葉ほど著しい. 8. 葉鞘節については未珪化部分がみとめられ, 網状に珪化していることがわかつた.
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