日本作物学会紀事
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タバコにおけるオゾン処理と障害との関係
篠原 俊清山本 義忠北野 博福田 三千夫
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1973 年 42 巻 4 号 p. 412-417

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抄録
1) タバコのオゾン障害についての研究を行なうため, 光(23Klx), 温度(5゜~35℃)および相対湿度(55~75%)の制御のできるオゾン処理装置を試作した. 処理チャンバー(80×90×100cm)内においてわずかな環境条件のばらつきがみられたが, 実験遂行上大きな支障となるものではなかつた. 2) オゾン処理により圃場で観察されたと同じような病斑症状が発生した. 3) Bel-W3では20pphm×h, H-2では30pphm×hで病斑が現れた. 両品種ともオゾンdose (pphm×h)と病斑の発生程度とはかならずしも比例的でなかった. すなわちdoseが同一の場合, 短時間で高濃度で処理した方が長時間で低濃度で処理するよりも障害が大で, またdoseが前者より後者の方が大なる時でさえ, 短時間高濃度の方が障害が大となる傾向がみられた. また同一doseの場合, 低濃度で何回にも分けて処理するよりも, 高濃度で処理回数を少なくした方が障害の発生ほ大となった. 4) 1~2時間の短時間処理ならば, 切断葉でも着生葉と同様にオゾン反応をみる実験に供することができた.
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