日本作物学会紀事
Online ISSN : 1349-0990
Print ISSN : 0011-1848
ISSN-L : 0011-1848
コムギの光合成と物質生産に関する研究
第4報 光合成に及ぼす低夜温の後作用に関する実験的検討
高 清吉玖村 敦彦村田 吉男
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 47 巻 1 号 p. 69-74

詳細
抄録
規制環境下で日中の光合成に対する低夜温の後作用につき検討し次の結果をえた.
1. 低夜温の後作用は次のふたつの面にあらわれた. そのひとつは, 照明開始後, 光合成速度が一定値に達するまでの所要時間を長くし, 他のひとつは到達された一定値のレベルを低くすることである.
2. 前述のような低夜温の後作用は, 暗期の気温・地温がともに低かった場合にもっとも顕著である.
3. 暗期の低気温単独の影響によっても前述のような低夜温の後作用はあらわれる.
4. 暗期の低地温単独の影響によっては低夜温の後作用はみられない. しかし, 低地温が低気温と組合わさった場合には, 低地温は所要時間の面に及ぼす低気温の後作用を強める.
著者関連情報
© 日本作物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top