日本作物学会紀事
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イネの小胞子初期冷温処理による雄性不稔 : 第18報 冷温処理中および処理後の葯における2, 3の酵素の活性
西山 岩男
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1978 年 47 巻 4 号 p. 551-556

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抄録
炭水化物および燐酸の代謝に関与しているアミロフォスフォリラーゼ, 酸性フォスファターゼおよびエステラーゼの活性を, 小胞子初期における冷温処理中および処理後の葯について測定した。冷温処理をうけた葯のアミロフォスフォリラーゼの活性は出穂2日前までは正常葯の場合とかわりがなかった(第1, 2図)。正常葯では出穂1日前からこの酵素の活性が急増したが, 処理葯ではこの増加がつよく抑制された(第1図)。葯のエステラーゼの活性はすくなくとも処理1日後までは冷温処理の影響をうけなかった(第4図)。葯の酸性フォスファターゼの活性は, 不受精を増加させない2日間の冷温処理によっても減少した(第3図)。このことはこの酵素が冷温によってひきおこされる初期の変化に関係してしいることをしめしている。
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