日本作物学会紀事
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Productivity of Some Hybrid Strains between Andigena and Tuberosum in Potato
Akihiro ISODAKimio NAKASEKOKanji GOTOHSachio NISHIBE
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1987 年 56 巻 3 号 p. 379-386

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抄録
3. Tuberosum親に比べ, 雑種系統のうちただびとつNo.40は生育初期の葉面積展開速度が大きかった. 大部分の雑種系統では8月後半に葉面積指数(LAI)が最大となリ, その値はTuberosum親に比較して大きかった. 極晩生のNo.6およびNo.40は10月上旬まで大きなLAIを維持した(第2図). 調査期間中(萌芽から10月4日)の平均個体群生長速度(CGR)では,雑種系統の平均値はTuberosum 親に比べわずかに大きく, 平均純同化率(NAR)では小さかった. また, 塊茎形成期以降ではほとんど雑種系統および親品種で下均CGRならびに平均NARが増大する傾向があった. 葉積(LAD)では大部分の系統がTubcrosum親に比較して大きな値となった. 塊茎形成期から10月4日の平均塊茎乾物増加速度(TGR)では, 雑種系統および両親の間に大きな差異は認められなかったが, No.23ならびにNo.40はTubCrosum親に比べ有意に大きかった(第3表). 全乾物重および塊茎乾物収量は,平均CGR, LADおよび平均「FGRと有意な正の相関を示したが, 塊茎乾物収量とLADとの間には有意な関係は認められなかった(第4表). CGRは萌芽から6月19日の期間ではLAIと, 7月7日から7月24日ならびに8月12日から8月28日の期間ではNARと有意な上の相関を示した. また, CGRとTGRの間には7月25日から8月10日期間を除く全生育期間で有意な正の相関が認められた(第5表).
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© Crop Science Society of Japan
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