調査には改良品種のVijayamahsuriとSonamahsuri, 在来品種の香り米のBasmatiおよびHR 59を用いた. また, 慣行法田植で深植(8.1cm)されたBasmatiを2.3cmの深さに植え直し, 両者の生育についても比較を行った. 改良および在来品種の草型や光の群落内への透過の状態について, 生産構造図を作成し, 検討した. 葉, 茎および根の乾物重はVijayamahsuriが他の3品種よりもすぐれ, LAIも改良品種のVijayamahsuri, Sonamahsuriの方が在来品種のBasmatiやHR 59よりも高い値を示した. Basmatiの浅植えでは, 各器官の乾物重やLAIが深植えに比較して大きかった. VijayamahsuriとSonamahsuriの吸光係数はともにK=0.29で短稈であり草型も日本型に類似していた. 在来品種の草丈は1m以上に達したがLAIは小さく, 群落内への光の透過は良好であったが, 節間が長く倒伏しやすい形態を示した. また, 根系の発達では, 浅植えした場合, 地中茎からの節根の発生は見られなかった. VijayamahsuriやSonamahsuriは根群の発達が良好で, かつ健全であり, そのために, 光合成速度および気孔開度がBasmatiやHR 59に比較して高かったものと考えられる.