抄録
個葉光合成速度 (CER) は, 個葉の外囲空気を一時的に加湿する処理によりつねに上昇した。このことは, 湛水条件下においてさえCERが常習的に水不足により低下させられていることを示唆する。そこで, この処理によるCERの増加程度をもとにして, いろいろな時刻および開花後日数における水不足によるCERの低下程度をみつもった。止葉のCERの処理による増加の程度は時刻の進みおよび開花後の日数の進みに伴い増加し, その変動幅は開花期の午前の5%から完熟期の午後の40%の範囲にあった。上述の結果から, 水不足による光合成抑制の程度は時刻が進むにつれて, また, 開花後日を経過するにつれて増加すると結論された。