日本作物学会紀事
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ダイズの節間伸長に関する研究 : 第2報 節間伸長に及ぼす接触処理の影響
梅崎 輝尚松本 重男
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1990 年 59 巻 1 号 p. 34-39

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抄録
本研究では, 接触処理がダイズの節間伸長に及ぼす影響を明らかにするため, 九州地方の秋ダイズ品種フクユタカを供試し, ハタキを用い茎頂部を軽く撫でることによる処理の影響を調べた。ダイズの節間では接触刺激により伸長抑制がみられ, 花芽分化期から開花期までの処理で最も効果が大きかったが, 刺激に対する反応は直接刺激を受けた節間に限られた。また, 収量形質にはほとんど影響が認められなかった。一方, 処理強度については, 本実験で設定した15-180秒の範囲では, 刺激を受けた時間が長いほど抑制効果は大きかった。子葉節と初生葉節の間で摘心を行い作出したY-shaped plantを用いた実験では, 抑制効果は処理を受けた分枝においてのみ認められた。以上のことから, ダイズの節間伸長に及ぼす接触処理の影響についてみると, 生殖生長に副次的な悪影響を与えることなく伸長を抑制し, その効果は刺激を受けた時期・部位に限られ, 処理強度 (処理時間) が大きいほど大きいことが明らかとなった。
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