抄録
群馬県嬬恋村全域を対象としてキャベツ根こぶ病の発生箇所検出の可能性をランドサッ卜TMデータを用いて検討する前段階として, キャベツ圃場が精度高く識別できることを確認した. 1986年7月28日, 8月13日, 29日および1990年8月8日に得られたデータの内, 熱赤外を除く6バンドを解析に用いた. 主成分分析によると, データ変異の98%以上は3主成分に要約され, それらは明るさ, 湿潤, 緑色の程度を表す指標であった. 自然植生と農作物とは明るさの指標で, またキャベツ圃場とジャガイモ圃場とは湿潤の指標により区別された. キャベツ未収穫圃場と収穫直後ならびに収穫後の植物体の乾燥の進んだ圃場は相互に誤判読されることは少ないことが判明した. 根こぶ病検出の最適時期は病徴の現れる時期と収穫の進行を考慮すると8月上中旬と考えられた.