日本作物学会紀事
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根粒着生ダイズの窒素肥料に対する反応 : 第2報 子実の品質ならびに節位別子実への同化産物の分配
BAYORBOR Thomas Basuglo木暮 秩浅沼 興一郎OFOSU John ANIM鈴木 則行
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1992 年 61 巻 4 号 p. 635-641

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抄録
ガラス室において3水準の窒素レベル(0, 100, 200pm)で砂耕栽培したダイズを用い, 窒素の集積, 子実の脂肪とタンパク質含量, ならびに子実における14C放射活性の節位別分布に及ぼす影響について調査した. 14CO2は栄養生長期, 開花期, 登熟初期, 及び登熟後期に供与した. 培養液の窒素レベルが高くなるほど各器官内窒素濃度は高く, 栄養器官では生育にともない低下した. 窒素レベルは子実の脂肪やタンパク質含量にほとんど影響しなかった. 栄養生長期, 開花期に14CO2を供与しても, 子実中に14C活性は検出されなかった. 登熟後期に供与した場合の方が, 登熟前期の場合よりも14C活性が強く検出された. 窒素レベルは14Cの量とその節位別分布に大きな影響を与えなかった. また14C活性は2次分枝<主茎<1次分枝の順であった. これらの結果から, 窒素レベルは子実の発達と品質に大きな影響を及ばさないものと考察した.
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