抄録
コーヒー葉身の形態を, 光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡を用いて研究した. 葉の背軸側の中央脈と二次脈のあいだに, 円形または楕円形の穴としてドマチアが認められた. 穴の縁およびその付近に36μmから143μmまでの長さの単細胞性毛茸が観察された. 穴の内部が入口より大きく, ドマチアがポケット型であることを確認した. 組織培養実験の際に殺菌液がドマチアのなかにはいらず, 滅菌効果が不十分になることから, この構造が注目された. さらに, コーヒー葉の維管束や葉肉構造についても研究した. また中央脈や二次脈付近の下皮細胞に, 染色性の高い物質の存在を認めた.