日本作物学会紀事
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タイヌビエ (Echinochloa oryzicola Vasing) の完熟種子カルスの不定胚形成・不定芽形成
徐 正君藤野 介延喜久田 嘉郎
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1993 年 62 巻 4 号 p. 614-620

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抄録
タイヌビエ (Echinochloa oryzicola Vasing) の完熟種子の果皮をとって2-20mgl-1の2, 4-Dを含むMS改良培地上に移植しカルスを誘導した. このカルス誘導は培地に4mgl-1のトリプトファンを添加することが効果的であった. 誘導されたカルスは6mgl-1の2, 4-Dを含むMS改良培地に継代培養できた. このカルスは2, 4-D及びサイトカイニンを含む培地に移植することにより, 再分化することができた. 再分化植物体の55%は正常であったが45%はアルビノを含む異常形態を示した. また, この再分化過程をパラフィンセクションにより観察した結果, 再分化には不定胚形成過程を経由する再生個体と不定芽形成過程を経過する再生個体とがあり, その比率は25:75であったが, 培地のホルモン条件によって再分化過程の比率を制御できなかった.
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