日本作物学会紀事
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面積データに基づく輪作体系の解析手法 : 第1報 主要な3年作付の抽出
松崎 守夫橋本 知義昆 忠男豊田 政一
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1994 年 63 巻 1 号 p. 9-14

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抄録
十勝中央部の3土壌型(各120 ha)において8年間作付調査を行った. 8年間の作付順序が単一になるように作付図を区分し, 区分した区画の作付順序・面積などによリデータベースを構築した. 作付順序の共通要素を抽出するためにデータベースを用い, 連続する二つの作物結合単位である3年間の作付順序(3年作付)の出現面積比率を年度ごとに集計した. 6反復存在する3年作付の出現面積比率からその平均値, 変動係数, 及び3年作付の出現頻度を計算した. 出現面積比率の変動係数を用い, 調査地点を代表する3年作付(主要な3年作付)を抽出した. 主要な3年作付は出現頻度・出現面積比率が高く, 普通畑作物のみによって構成される3年作付であった. これらは各土壌型において10~l2通りしか存在しなかったが, 調査面積の21~53%を占めていた. 主要な3年作付A→B→C, B→C→Aが抽出された時, 作物結合単位B→Cを連結することにより, 作付順序A→B→C→Aが存在すると考えることができる. この過程を繰り返し, 多数の作物からなる作付順序を再構成することにより, 調査地点を代表する作付順序・輪作体系を確認することができる.
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