水分ストレス条件下でのダイズの葉の調位運動が小葉の受光量に及ぼす影響を検討するため, 中国新彊ウイグル自治区石河子のコンクリート枠圃場で実験を行った. 調位運動の活発な珍珠塔2号と不活発な黒農33号を用い, 登熟期に4段階のかん水処理区を設け, 38日間処理を行った. 処理期間中に各区よリ2個体を選び, その全小葉の2日間の受光量を測定した. また, 処理終了2日後に一時的にかん水を行い群落内相対照度を測定した. 両品種の葉の調位運動には大きな差異があり, 受光量も異なった. 珍珠塔2号の上層葉は, かん水量が増えるにしたがい強い光を受光する葉が多くなり, 午前中大陽光線に対する平行運動(Paraheliotropic movement)が小さくなった. 黒農33号では, 処理間差はあまり大きくなかったが, 最も水分ストレスが強かった区では昼間葉の萎れ現象がみられ, 光の透過が悪化した. 最も水分ストレスの強かった区で, 処理終了後の一時的かん水により珍珠塔2号では午前中, 太陽光線に対する平行運動が小さくなることが認められた. 黒農33号では萎れ現象は回復したものの, 平行運動を続けていた.