1994 年 63 巻 4 号 p. 706-713
レタス及びダイズプロトプラストを電気的または化学的方法で細胞融合処理をしたとき, 細胞壁形成ならびに細胞分裂に対するそれらの影響を調べた. Calcofluor White染色法によると, 細胞壁形成はレタス, ダイズ両プロトプラスト共に電気的融合処理により促進された. 一方, polyethylene glycol (PEG)を用いた化学的融合法では, レタスプロトプラストの細胞壁形成に影響は無かった. レタスプロトプラストをPEGと混合して3時間後にCalcofluor Whiteで染色したところ, 細胞壁形成は非常に薄い濃度のPEGで阻害されることを確かめた. ダイズプロトプラストを電気的処理をすると, 培養3日後に細胞分裂の増加が観察された. 透過型電子顕微鏡観察によると, 電気的融合処埋をしたプロトプラストでは, 1日後に既に細胞壁が認められたが, 未処理細胞では形成されていなかった. さらに, 電気的処理をしたプロ卜プラストでは無処理に比べ小胞体が増加した.