日本作物学会紀事
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電場処理したラッカセイ葉肉プロトプラストの葉緑体における微細構造の変化
Nisyawati三宅 博谷口 武
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1995 年 64 巻 1 号 p. 131-138

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抄録
ラッカセイ (Arachis hypogaea L. 品種 Lokal) 幼苗の葉肉細胞および電場処理した葉肉プロトプラストの葉緑体における微細構造の変化を研究した. 一般に, 葉肉細胞の葉緑体の外形は両凸形であり, 一方葉肉プロトプラストの葉緑体は卵形か球形で, 一部のものは分裂していた. プロトプラストを電場処理すると一部の葉緑体は対をなしていた. あるものは分裂により, 他のものは融合により生じたものと推定された. 電場処理によりプロトプラストの活性化が知られており, これに関連して葉緑体の分裂や融合が促進されたものと考えられた. 2種のタイプの分裂, 即ち, partition と fission が観察された. partition形の葉緑体の分裂の場合には, 通常葉緑体エンベロープの内膜の陥入が観察された. fission形の分裂の葉緑体はダンベル形で, その結合部に電子密度の高い物質が認められた. 一部の葉緑体は2つの葉緑体の融合によって生じだものと推定された. 理由は2つの葉緑体部分は共通のエンベロープを持ち, 融合部の両方のチラコイド系は互いに調和がとれていないことによる.
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