日本作物学会紀事
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コムギの子実と粉の無機成分に及ぼす土壌の種類と施肥の影響 : 第1報 子実と粉の無機成分含有率と灰分含有率との関係
佐藤 暁子小柳 敦史和田 道宏
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1996 年 65 巻 1 号 p. 29-34

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抄録
灰色低地土, 赤色土, 厚層多腐植黒ボク土で生育したコムギの子実および粉の窒素(N), リン(P), カリウム(K), マグネシウム(Mg), カルシウム(Ca)およびマンガン(Mn)含有率を調べ, 灰分含有率との関係を検討した. 赤色土で生育したコムギは, 灰色低地土で生育したコムギに比べ, 子実ではN, MgおよびCa含有率が低く, Mn含有率が高かった. また, 粉ではN, PおよびCa含有率が低く, KおよびMn 含有率が高かった. 厚層多腐植黒ボク土で生育したコムギは, 灰色低地土で生育したコムギに比べ, 子実ではP, K, MgおよびCa含有率が低く, 粉ではN含有率が高く, P, CaおよびMn含有率が低かった. 灰分含有率の土壌間差異の約半分がP, K, Mg, CaおよびMn含有率の差異に基づいていた. 厚層多腐植黒ボク土では, 可給態リン酸の増加により, 子実および粉のP, KおよびMn含有率が増加し, 灰分含有率も増加した.
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