抄録
木酢液と木炭の混合物 (木酢液1:木炭4;以下サンネッカEと略称) の作物に対する作用機作を明らかにする目的のもとに, メロン果実のスクロース蓄積とこれの合成に関与するスクロースリン酸合成酵素 (以下, SPSと略称) の活性に及ぼすサンネッカEの影響を検討した. 実験は1990年から1995年までの4年間に5回行った. いずれの実験とも, サンネッカEの施用で成熟果実のスクロース含量が増加する傾向を示した. SPS活性はサンネッカEの施用, 無施用にかかわらず果実の成熟に伴い増大するが, その程度は前者が後者を上回るものであった. サンネッカEの施用はメロン果実のSPS活性を高め, これによってグルコースおよびフルクトースからスクロースへの合成は促進され, その結果スクロース含量が増加するものと推察された.