抄録
水稲株を構成する主茎, 1次分げつおよび2次分げつに着目し, 1株穂数の品種間差異および1株穂数と次位別1穂籾数との関係について検討した. 供試品種 (96年は28品種, 97年は25品種) の1株穂数は, 年次によって若干変動しているものの18~30本の範囲にあった. その品種間差異は, 1次分げつおよび2次分げつの両者の違いによるものの, 2次分げつの相違による影響の方が大きかった. 2次分げつが多くその占有率が大きい品種ほど1穂籾数は小さい傾向がみられた. 一方, 1株穂数と1株全籾数との間には一定の関係はみられなかったが, 1株穂数と次位別1穂籾数および1穂籾数との間には, いずれも有意な負の相関関係が認められた. さらに, 1株穂数と次位別1穂籾数との回帰直線の傾きは, 主茎<1次分げつ<2次分げつの順に小さく, 1株穂数の多い品種ほど次位別1穂籾数の差異が小さい傾向がみられた. そして, 主茎1穂籾数と1次分げつおよび2次分げつ1穂籾数との間には密接な正の相関関係が認められた. すなわち, 主茎1穂籾数が多い品種は1次分げつおよび2次分げつにおいても1穂籾数が大きかった.