日本作物学会紀事
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水耕栽培における生育期別のフッ素処理とイネの生育との関係(収量予測・情報処理・環境)
山内 正見吉田 弘一谷山 鉄郎梅崎 輝尚長屋 祐一
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2001 年 70 巻 3 号 p. 444-448

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抄録
フッ素濃度を50ppmに調整した水耕液で分げつ盛期および幼穂形成期の10日間処理によって, 栄養生長期と生殖生長期のフッ素処理がイネの生育および収量に及ぼす影響について検討した.その結果, いずれの生育期のフッ素10日間処理も最終分げつ数を抑制した.とくに幼穂形成期のフッ素処理は著しい分げつ数の減少をもたらした.籾, 葉身, 葉鞘(稈を含む)および根の生長に及ぼす影響はあきらかで, フッ素によって乾物重は減少した.分げつ盛期処理よりも幼穂形成期処理で, すべての器官の乾物重は減少した.1株当り穂数, 1株当り籾数および1穂籾数に及ぼすフッ素の影響は顕著であったが, いずれも分げつ盛期処理より幼穂形成期処理で低下は著しかった.1株当り穂数, 1株当り籾数および1穂籾数と籾重に有意な関係がみられた.イネの生育および収量に及ぼすフッ素の影響は栄養生長期と生殖生長期で異なることを明らかにした.
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