日本色彩学会誌
Online ISSN : 2189-552X
Print ISSN : 0389-9357
ISSN-L : 0389-9357
言語表現に見る日本人若年女性の肌色観 ─男女の肌の明るさと色みの捉え方─
山田 雅子
著者情報
キーワード: , 肌色, イメージ, 性差, 個人差, 理想
ジャーナル フリー

2017 年 41 巻 2 号 p. 55-61

詳細
抄録

 肌の色に対する心的イメージ(心の中に抱く像)には,現実とのずれがある(山田, 2010, 2015).実際には男性の肌の方が女性よりも赤み寄りであるにもかかわらず,平均的な男女の肌の心的イメージとして選ばれた色票の特徴は全く逆であったとの報告もある(山田, 2010).そこで本研究では,言語表現の面から自身と男女の肌について抱かれる心的イメージの傾向を探ることとした.

 82名の日本人女子学生を対象とし,6種の肌について明るさと色みを選択させたところ,明るさについては,対象の性別に従って明瞭に区別される一方,色みについては「中庸」との選択が大半を占め,明確には意識されていないことが明らかとなった.また,対象の性別や自他の区別を問わず,理想は現実に比べて色白であり,回答者自身の肌については,現実の方が理想に比して黄みに寄るとの特徴も加わることが分かった.更に,言語表現の選択傾向は一定のパタンに分類できることも示唆された.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本色彩学会
前の記事
feedback
Top