日本色彩学会誌
Online ISSN : 2189-552X
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41 巻 , 2 号
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  • 中村 信次, 野寺 綾
    原稿種別: 原著論文
    2017 年 41 巻 2 号 p. 45-54
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー

     紙筆版IAT(paper-fomated Implicit Association Test)を用いて色に対する潜在的嗜好計測の集団的実験を実施した.有彩反対色対(赤-緑,青-黄)および無彩反対色対(白-黒)に対する潜在的色嗜好を,5 週間の間隔を空けて反復計測し,視覚的連続スケール(Visual Analogue Scale: VAS)により同時に計測された顕在的色嗜好と比較した.大学生234 名を分析対象とする実験の結果,1)VAS よりは低いものの,紙筆版IAT においても一定程度の反復安定性が確認されること,2) 有彩色を評価対象とした場合は有意な潜在-顕在指標間相関が得られるものの,無彩色を評価対象とした場合にはそれが得られないこと,3) 無彩色における潜在-顕在指標間の乖離に,実験参加者の色認知態度(色に対するステレオタイプ的思考の程度)が関与している可能性があること,などを見出した.これらの結果は,PC を用いた個別実験により実施されたIAT 計測の結果ともよく一致しており,紙筆版IAT が潜在的色嗜好を集団実験により計測する手法として有益なものであることが確認された.

  • 山田 雅子
    原稿種別: 研究速報
    2017 年 41 巻 2 号 p. 55-61
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー

     肌の色に対する心的イメージ(心の中に抱く像)には,現実とのずれがある(山田, 2010, 2015).実際には男性の肌の方が女性よりも赤み寄りであるにもかかわらず,平均的な男女の肌の心的イメージとして選ばれた色票の特徴は全く逆であったとの報告もある(山田, 2010).そこで本研究では,言語表現の面から自身と男女の肌について抱かれる心的イメージの傾向を探ることとした.

     82名の日本人女子学生を対象とし,6種の肌について明るさと色みを選択させたところ,明るさについては,対象の性別に従って明瞭に区別される一方,色みについては「中庸」との選択が大半を占め,明確には意識されていないことが明らかとなった.また,対象の性別や自他の区別を問わず,理想は現実に比べて色白であり,回答者自身の肌については,現実の方が理想に比して黄みに寄るとの特徴も加わることが分かった.更に,言語表現の選択傾向は一定のパタンに分類できることも示唆された.

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