日本色彩学会誌
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日本人女子学生による肌の色の明るさと色みの捉え方 ─2015・2016 年データの分析─
山田 雅子
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2017 年 41 巻 3+ 号 p. 118-120

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抄録
 肌の色については,「色黒」や「黄み」等,心的イメージが言語的に表現されることもある.山田(2017)では,男女の肌は明るさの面で明瞭に区別される一方,色みについては「中庸」との回答が大半を占めたことが報告された.本報では,「中庸」の段階を省いて新たに採取したデータを同様の方法で分析し,山田(2017)を検証した.調査においては,自分自身の現在/理想の肌の色,男女の平均的/理想的な肌の色の6種について,明るさと色みに関する回答を求めた.数値化の上,対象および平均(現在)/理想を要因とした3×2の分散分析を行った結果,いずれの属性においても両主効果が有意であり,「男性の方が女性よりも色黒で黄み」という方向性が示された.性別毎に色みが区別される傾向は新たに得られたものであり,現実の男女の色みの傾向(男性が赤み,女性が黄み)と正反対の方向性は,色票選択に基づく調査結果に重なるものでもある.更に,クラスター分析によって得られた反応パタンは,明るさについて先行研究と重なる部分が多く,分類について一定の妥当性が示された.一方の色みについては,対象によらず若干黄み寄りで一定となるパタンが最多であった.
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