日本色彩学会誌
Online ISSN : 2189-552X
Print ISSN : 0389-9357
ISSN-L : 0389-9357
SUPPLEMENT
香りからイメージする配色表現(Ⅲ) 香りから想起された配色によるパッケージデザインの評価
多田 真奈美市場 丈規髙橋 晋也
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 41 巻 3+ 号 p. 179-182

詳細
抄録
 本研究は,配色が繊細な感覚である香りを表現できるかが主テーマである.第45回全国大会の研究発表に於いて,配色を利用することにより複雑な香りを視覚で伝えられることが示唆されたことを受け,第47回全国大会で,配色の表現力を実際に利用する例として「香りからイメージする配色表現」によるパッケージデザインの作成を報告した.今回は,それを見た第三者が視覚的に受けるイメージについての調査を行い,色以外の要素が入ったパッケージデザインワークに於いて,「香りからイメージする配色表現」によって香りが視覚で伝えられているかを考察した.調査対象のパッケージデザインは香り4種×デザイン4種の計16種あり,それら全てのパッケージに対し,被験者は各香りを嗅ぎながら香りのイメージがどの程度表現できているかを視覚アナログ尺度(VAS)を用いて評価した.結果,配色はパッケージデザインにおいてもある程度香りを伝えられることを示す結果が得られた.また,配色の使用面積やデザイン表現によりVAS数値に差が見られ,香りの伝達における配色と形やテクスチャの関係性,配色の面積と明度・彩度についても示唆が得られた.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top