抄録
消費者と製品の出会いの場となるドラッグストアやスーパーなどの売り場では,トイレタリー製品や販促物の装飾を鮮やかにして如何に消費者の心を揺さぶる仕組みをつくるか,多くのメーカーが苦慮している.本研究では,色と香りのイメージに統一感持たせることで,商品を選ぶ際,消費者のポジティブなイメージに結びつくのではないかと考え,香りと色の印象について,官能的,生理的に関連性を評価した.レモンの調合香料とプルネラ調合香料を選択し,それぞれ色の印象を官能にて評価した.その結果,レモンの調合香料と黄色,プルネラ調合香料と紫色は関係性が高いことがわかった.またこれらの組み合わせにおいて,生理的評価として,光トポグラフィ(NIRS)を用いた前頭前野領域の脳血流動態を評価した結果,前頭前野中央部の関心領域で高い脳活動が認められた.このことから,官能的,生理的な反応として色と香りが調和した組み合わせでは関心が高まることが示唆された.