日本色彩学会誌
Online ISSN : 2189-552X
Print ISSN : 0389-9357
ISSN-L : 0389-9357
SUPPLEMENT
“2020 東京オリンピック・マラソンコース”に関わる 歩道橋および周辺構造物の色彩調査とカラー施策の考察
網村 眞弓
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 41 巻 3+ 号 p. 70-73

詳細
抄録
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり,東京マラソンのコースは過去から現在そして未来を象徴するコースに刷新されました.両コースには共通エリアが存在します.台東区エリアは,色相も豊富で中‐高彩度,構造物は丸みを帯び個性的で,親しみがあり庶民的です.一方港区エリアは,東京タワーも洗練の形状で,オフィスタワーや増上寺,公園など面積や重量感のある構造物が多く構築的で,低彩度や無彩色に近いもの,公園の樹木などの自然な色が主流です.しかし港区コースに,この色調にそぐわない大規模の歩道橋があり,景観を損ねており,他での推奨色を用いて周辺との調和を考察します. 港区には大型ホテルも多く,近隣は観光や食事処があり観戦客の夜間の外出が予想されますが,オフィスや公園の夜は人気がなく,寂しく暗い印象となります.諸外国では屋外の灯光ファニチャーやLED照明による構造物への照射が行われており,これらを参照に,世界に向け未来を創出する光によるカラー施策を考察します. 公共物やホテルの開発・リフレッシュにあたり,景観に関わる革新性と快適性の向上における色彩の寄与について考察します.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top