日本色彩学会誌
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手肌色の見えおよび印象に対するネイル色と照明光の影響(その4)
中島 由貴何 水蘭渕田 隆義
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2017 年 41 巻 6+ 号 p. 43-46

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抄録

 顔の肌色の知覚的な色相や明るさは,口紅などのポイントメイクや照明光によって変化する.ネイルメイクもポイントメイク同様肌色の見えに影響する可能性があり,手は自身の視界に入ることから照明光による色の変化に気づき易いといえる.様々な照明の下で生活する今日において“照明光”,“肌色”,“化粧”の各々の視点から肌色の見えについて検討することは重要である.

 本研究の目的は,照明光によって手肌色およびネイル色の双方の色が変化したときの手全体の印象の変化を明らかにすることであり,LED照明下で(1)生活シーン(1:日常,2:パーティー)に適したネイル色の選択,(2)手肌色の印象評価,(3)ネイル色を含めた手肌色の印象評価を行った.

 実験の結果,①ネイル色を含む手肌色の印象は,ネイル色選択時の光源とは異なる光源で照明することによって変化した.②Ra80以上の忠実色再現の照明光下では手肌色の印象はネイル色の影響を受け,ネイル色によって手肌色の印象がポジティブに変化する場合とネガティブに変化する場合があった.③被験者は生活シーンに適したネイル色を選択する場合,自身の手肌色よりも嗜好性や環境に基づいてネイル色を選択した.

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© 2017 一般社団法人 日本色彩学会
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