2017 年 41 巻 6+ 号 p. 50-52
自動二輪車には事故予防安全のための技術は少ない.そのため,運転者が周囲の状況を確認する必要があるが,後方には死角があり,また常に監視することも困難である.筆者らのグループは,「右後方より青色の車が接近」のように音声で警告することを想定して,1台の小型ビデオカメラを用いて,自動二輪車の走行中に後方映像を撮影し,接近車両検出を行い,また,車両色を検出する方法を提案してきた.しかし,問題点として接近車両に追い越される時に検出するので,開発目的からすると検出が遅い問題があった.本研究ではこれまでの研究に対してより早い時点で接近車両を検出できるようにブロックサイズの設定と消失点に対する接近車両検出領域の設定を改良する方法を提案する.直線およびカーブでの車両接近映像を撮影して実験を行った.直線時では接近車両の検出を0.9秒速くすることができた.カーブ時では以前の方法では検出できなかった場合でも検出が可能となった.ただ,誤検出が生じる場合もあったため,解決方法を今後の課題とする.