日本色彩学会誌
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2色覚の混同色の黄青-明度平面への色カテゴリマッピング
城戸 今日子桂 重仁須長 正治
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2018 年 42 巻 3+ 号 p. 158-

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抄録

 カラーユニバーサルデザインの新しい配色手法として,2色覚が知覚している色空間内の色で配色した後,混同色線に沿って色を変更して3色覚向け配色を決定する手法が提案されている.我々は,この新たな配色手法を確立するため,2色覚が知覚している黄青-明度平面上の色において,配色に適した複数の色カテゴリを明らかにした(城戸ら,2017).本研究では,黄青-明平面外の色が黄青-明度平面上のどの色カテゴリと類似して知覚されるかを明らかにすることを目的とした.分類刺激として,マンセル色票より基本10色相の5と10,明度は1から9,彩度は2から各色相における最大値まで2おきの色をディスプレイ上に呈示した.背景はN9.5の白であった.被験者は2型2色覚1名であった.被験者の課題は,1色ずつ呈示された分類刺激を黄青-明度平面上の色カテゴリのうち最も類似する色カテゴリに分類することであった.その結果,カテゴリ分類が混同色線の方向と一致しない色が存在することが示された.今後,この結果が表色系や混同色線の選択によって説明可能なのかを検討する予定である.

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© 2018 一般社団法人 日本色彩学会
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