2018 年 42 巻 3+ 号 p. 193-
色度,照度といった照明の要素が空間の印象に影響を与えることは過去の研究からも明らかにされている.代表的なものとしてKruithofのカーブが挙げられる.Kruithofは照明の色温度と照度の関係から快・不快曲線を示した.しかし,近年の照明はLEDなど色度を自由に変えられるようにはなったが,それらの照明の色度は黒体軌跡上になく,相関色温度(Corelated Color Temperature,CCT)で表記されている場合が多い.正確な色度はCCTと色偏差(Duv)を用いることで表現するが,Duvまで着目し,印象評価を行っている実験は少ない.特に,くつろぎ感に関して照明条件を求めるための系統だった研究はほとんど見られない.そこで,本研究はリビング空間のくつろぎ感に注目し,照明光のCCTやDuvが空間の印象評価に与える影響を調査した.実験は,ソファ,カーペット,テレビなどが置かれたリビング空間を模したブース内で行われた.照明条件は照度200lx ,4種類の色温度(2300, 3000, 4000, 5000K)と,3種類のDuv(0.00, 0.005, 0.010)の組み合わせから設定される12条件であった.評価結果に対し,因子分析を行なった結果,4つの因子が抽出され,くつろぎ感においてはCCT=3000K~4000K,Duv=0~0.005で最も高い評価が得られた.