食品・食材の示す色彩や光沢(つや)は,鮮度評価や調理具合の手がかりとなるほか,見た目そのものが,おいしさ評価に繋がることから,適切に調整・演出することが求められる.そこで,本研究では,光沢に注目し,食品の光沢を人がどのように感じるかを明らかにすることを目的として,光沢の程度の異なる焼き鳥(つくね),クッキー,ライス(チャーハン)の樹脂製食品サンプルの光沢度測定と主観評価を行った.光沢度分布は,光トラップ付きドーム型照明を用いた非接触式測色システムを使い,デジタルカメラで撮影した正反射成分を含むSCI画像と,正反射成分を含まないSCE画像の差分から,二次元光沢度分布を算出した.主観評価では,昼白色と電球色の点光源下で感じるつやの程度と感情を,32名の被験者に回答させた.その結果,食品のつや評価は,光源の色温度に影響を受けない,食品に対してはガラスやプラスチックなどの工業材料としては中程度の光沢度を強いつやと感じる,平均光沢度の高い(つやのある)ものほど温かく新鮮でおいしそうであると感じること,が分かった.