日本色彩学会誌
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日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
物品画像の色の違いの許容度−e-commerce 取引を念頭に置いて
槙   究森田 和奏山村 里奈
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キーワード: 色の好み, 印象評価, 物品
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2019 年 43 巻 3+ 号 p. 113-

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抄録

e-commerce取引の増大に伴い注目を集めるトピックとして,実物と画像の色の違いがある.本研究では,色の違いが気になるのはどういう時かという視点から,iPhoneで衣料品の画像を撮影してみる予備的な調査に続き,標準画像をAdobe Photoshopを使用してL*方向,a*方向,b*方向に段階的に色を変更した画像を作成し,どの画像までの色の違いを許容できるかを訊ねる実験を実施した.

予備的調査での撮影画像と実物の比較では,電球色でも黒は黒に見えるが,白は生成りのように見える,青などの低明度色は黒っぽく見えるといったコメントが得られた.

色の変移の許容範囲は,配色カード,セーター,バッグ,靴の画像に対して,それぞれ23色設定された基準画像毎にL*,a*,b*の各方向に- 9〜+9まで3ずつ変更した画像を作成して掲載したスライド276枚(=4×23×3)を作成し,それぞれについて20名の女子大学生が判断した.その結果,L*が3程度暗いのは気にならないことが多いがY系は他より気にする人が多い,a*方向よりb*方向で許容度が下がりやすいなどを示唆する結果が得られた.

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© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
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