日本色彩学会誌
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日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
光の3 原色光と白色光が与える体感温度への心理的・生理的影響
佐々木 柊大河原 翔金指 洸稀三栖 貴行
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2019 年 43 巻 3+ 号 p. 155-

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抄録

近年,LED照明は様々な光色を調色・調光できる.フルカラーシーリングライトが販売されたことで,生活環境において有彩色光を利用できるようになった.本研究では,光の3原色と白色の4色についての照明光色が及ぼす体感温度への心理的・生理的影響について考察し,フルカラーLEDシーリングライトの活用方法を見出すことを目的とする.

実験室は10.5畳の部屋で,ベッドやテレビなどを置き一般的な家庭の一室を模した部屋を用意した.被験者は神奈川工科大学に通う色覚正常な男子7名女子7名で行った.実験での評価項目は心理的評価のVAS(Visual Analogue Scale)と生理的評価のhitoeによるストレス指標LF/HFの測定,サーモグラフィカメラ(NECAvio製InfReC-R300S)による顔表面温度の測定を行った.照明光色はECHONET Liteを使用し制御を行った.使用する光色は光の3原色である赤,緑,青と白の4色とし,照度は光色の違いによる身体への影響を考察するため17[lx]に統一した.

実験の結果,体感温度に関して人は心理的・生理的に光色の影響を受けていることが分かった.しかし,心理的に感じている光色の効果と生理的に起こっている光色の影響では異なることが分かった.

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© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
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